[断捨離#3] カセットテープのデジタル化【後編】

生活

前編では、カセットプレーヤーを SANWA DIRECTの「400-MEDI002」に選定するまでを解説しました。後編ではデジタル化作業をしていきます。ちなみに「400-MEDI002」の専用ソフトは「Cassette Mate」というため、当記事ではこの名称を使います。

カセットテープのデジタル化

まずはデジタル化のイメージをつかんで頂くために、作業手順を箇条書きにしました。今回は対象のカセットテープが20本と少ないためにこの手順で良しとしましたが、もっと生産性の高い方法があるかも知れません。

カセットプレーヤーを使用したデジタル化の概要図
カセットテープのデジタル化手順

No.3〜10の青字部分がテープごとに繰り返す手順です。

  1. カセットプレーヤーをPC(Windows or BootCampのWindows)に接続
  2. PC側で「Cassette Mate」を起動
  3. カセットテープを入れ、巻き戻しておく
  4. PC側は「Cassette Mate」で下記5の直前に録音(RECORD)開始
  5. カセットテープをPLAY
  6. (プレイしたカセットテープの録音中、オートリバースは自動)
  7. PLAYが終わったら、「Cassette Mate」側で先に録音をSTOPする
  8. カセットテープをSTOPし、巻き戻し(または早送り)
  9. 「Cassette Mate」で、録音した内容をファイルに保存する
  10. カセットテープを取り出す
  11. 「Cassette Mate」を終了する
  12. カセットプレーヤーをPCから取り外す

デジタル化時の注意点やコツ

手順通りやっていく中で、工夫した点や、知って面白かったことがありますので、ぜひ共有させていただきたいと思います。

録音レベル調整

これが最重要。カセットテープから専用ソフトに入力された音声は、ソフト側で録音レベルを調整する(多くは録音レベルを上げる)必要があります。録音レベルを上げてやらないと、デジタル化したファイルの再生時に、聴きづらくなってしまいます。

もちろん、録音レベルが高めのテープは調整不要です。かといって録音レベルが低めのテープに合わせてレベルを上げすぎると、音割れします。「Cassette Mate」には入力された音声の波形表示があり、音割れしないように録音レベルを調整することが可能です。

参考:録音レベル実績値
  • トップ画面>ハンマーのアイコン>オプション設定画面
  • オプション設定画面の「録音音量」:目盛9/10(後ろから2つ目)  ←実績値

ノイズ除去

カセットテープ再生時の「シャー」といういわゆるヒスノイズ。または「ボー」という、なんというか機械の音。「ブチ」という、テープヘッダの摩擦音。

これらはノイズであり、本来除去されるべきものですが、今回は「カセットテープの味わい」と考え、懐かしみも含み、そのままデジタル化しました。(まあ、今回の貧弱な機械構成だと、除去しようにもできないので、負け惜しみ。。。)

テープ保存状態

今回実は心配だったのは、テープの保存状態です。20〜30年も前のもので、押し入れの奥に潜んでいましたから。カビが生えていたり、再生時にテープが切れるのではないか、と危惧していたのです。

幸運なことに蓋を開ければどちらもなく、デジタル化(再生)は順調に行ったのでした。実は保存状態よりやっかい(ってほどでもないのですが)だったのは、テープごとの録音レベルのばらつきでした。

ファイルサイズ

音声は今回1テープにつき1ファイルに保存しました。

「Cassette Mate」には「無音区間で分割」といって曲分割する機能もあるのですが、意図的な無音部分も検知してしまう場合もあるという報告もあり、自分は使用しませんでした(うまく利用すれば1曲毎にファイル分割がされ、再生アプリなどでの管理も理想的になります)

そのため1テープ=1ファイルになったのですが、1ファイルサイズはおよそ50〜80MBになりました。思ったほど大きくはないですが、保存先の空き容量の少ない場合は注意です。

カセットラベルの保存

といっても実物を保存するのではなく、カセットテープ自体の表面と、カセットラベル(ケース中の紙の部分や背表紙)をすべて、スキャナーによりイメージファイルにしました。それをデジタル化した音源と一緒に保管するわけです。

カセットテープもそれぞれ個性がありますし、ラベルも当時は凝りに凝りましたので、捨てると決めたが、せめてイメージ保存して思い出を残そう、という苦肉の策です。

デジタル化後の運用

カセットテープの内容をファイルに変換したあと、その曲などを聴きたいでしょう。ここではそのあたりのことについて、試したことを記録しておきます。

音楽を聞く媒体

自分の場合、まずデジタル化した音楽は「iPhone」で聴くと決定。

iPhoneに対して、PCからファイルをコピーして行きます。MacからであればAirDropでいけますね。

音楽を聞くアプリ

聴くアプリをいろいろ試しましたが、iPhoneではCloudBeats(無料版)に落ち着きました。

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CloudBeatsは、設定上のおすすめがあります。

  1. 曲をプレイ中の画面で速度を「0.95x」にすると、違和感がなくなりました。自分の場合、ファイルをそのまま再生すると、いつもよりも少し速度が「速く」「声が高く」感じました。
  2. 設定画面で「曲名の代わりにファイル名を表示する」をONにすると、曲名中の漢字が文字化けしなくなりましたので、おすすめします。
  3. 設定画面で「前回の停止位置から再開」をOFFにすると、曲をプレイするたびに曲の頭からプレイするようになります。これは好みですが。

まとめ

20〜30年も前のカセットテープの音源をデジタル化し、最新機器に取り込んで聴いたときは、感慨深いものでした。捨てるだけが断捨離のいい面ではなく、当時の感動の再生、恒久化もしてくれます。

デジタル化って高く付きそうだなあ、と始めは思いましたが、3000円くらいのカセットプレーヤーを購入するだけでいい、と割り切ってからは、楽しい作業になりました。再生して録音するというデジタル化方式も、技術者的には知って納得するものでしたし。

ステレオやラジカセをお持ちの方は、より高音質でのデジタル化が期待できますから、ぜひ挑戦なさってはいかがでしょうか。

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