[中国語#2] 痒いと擽ったいを区別しない

double meaning 言葉

中国語はなんと「かゆい」と「くすぐったい」を区別しません。日本語では別々の語なのに、中国語では1語なのか。。。と初学者には比較的有名な話です。中国語に興味のある方へ、こうした区別しない語のいくつかをご紹介したいと思います。

区別しない例

癢癢:かゆい、くすぐったい

中国語は「かゆい」も「くすぐったい」も、「癢癢」(yang3 yang3) と言うようです。自分が初めて知って面白がった例です。妻でも確認済です(笑)

ちなみに中国語の「」にあたる日本の漢字は「痒」ですが、これは「かゆい」の漢字ですね。一方「くすぐったい」「くすぐる」の漢字は「擽」(lUe4) らしいのですが、この漢字は中国語でどういう意味になるのでしょうか? 日本の国字でもないようですが、日本語辞典サイトに載っているので、本家中国でも普通に見ない漢字かも知れませんが、意味は「くすぐる」「笑わせる」のようです。

聲音:声、音

中国語は「声」も「音」も、「聲音」(sheng1 ying) と言うようです。妻も日本語で「声」というべきときに「音」と言ってしまい、最近格闘しています。

一文字目の「聲」にあたる日本の漢字は「声」なので、「聲音」全体は「声音」ということになり、「声」「音」の両方の意味を持ちそうです。確かにこのページではそういう解説がなされています。生き物の発する音は「声」と言い換える必要があるので、日本語を勉強する人にとっては面倒なのでしょうね。自分だったら外国語が自国語とここまで違うと、逆に面白くて覚えるきっかけになります。

味道:味、におい

中国語は「味」も「におい」も、「味道」(wei4 dao4) と言うようです。

味とにおいではもう感覚器が違うのですが、食べるとにおいも一緒に付いてきますから、区別しないのは分からないではないですね。「味わい」といった頭の中で感じる「味」に意味を転化できるのも日本語と同じようです。

烤 :焼く、あぶる

中国語は「焼く」も「あぶる」も、「烤」(kao3) と言うようです。ただし、あぶるという意味を持つ「炙」(zhi4) という語はあるようです。

動作としては紙一重ですが、日本語では区別しますよね。区別するしないは、文化そのものだと思います。

豬 :豚、イノシシ

中国語は「豚」も「イノシシ」も「豬」(zhu1) と言うようです。ただし、イノシシは「野豬」という語もあります。豚はイノシシを家畜化したものですから。

ちなみに十二支の中の「亥(い)」。十二支自体は暦や時間を表すための記号だったらしいのですが、覚えやすいように動物を当てはめたそうです。その動物が、中国では「猪(ぶた)」を、日本では「猪(いのしし)」を当てはめたそうです。

夾子:ピンセット、トング、クリップ

中国語は「ピンセット」も「トング」も「クリップ」も「夾子」(jia1 zi) と言うようです。実際、Googleで「夾子」の画像検索をしてみると、全部出てきました。夾子は「はさむもの」という意味と分かれば、なるほどですよね。

ただしそれぞれ別の言い方がありそうです。妻に聞いてみたら、ピンセットは「鑷子」(nie4 zi)〜はさむもの、(手で)つまむもの〜、トングは「烤肉夾」(kao3 rou4 jia1)〜焼き肉のときのはさむもの〜、「(ダブル)クリップ」は「長尾夾」(chang2 wei3 jia1) 。でもやはりすべて「夾子」と言えるそうです。おおらかだなあ。向こうではサラダ(ナマ物)は敬遠する人も多いので、トングが焼き肉用に限定されているのが面白いです。

普段の生活では広い意味での「夾子」で通るが、厳密に区別する言い方もある、といったところでしょうか。

鬆餅:ワッフル、ホットケーキ

中国語は「ワッフル」も「ホットケーキ」も「パンケーキ」も、「鬆餅」(song1 bing3) と言うようです。これもGoogleで「鬆餅」の画像検索をしてみると、すべて出てきました。これもおおらかだなあ。

中国語の「鬆」は、食べ物の場合「もろい、やわらかい、サクサクした」という意味。「餅」はモチ。つまり「鬆餅」は「やわらかい餅」みたいな意味になります。ちなみに「餅乾」(乾いた餅)はビスケットのことを指します。

耳環:ピアス、イヤリング

中国語は「ピアス」も「イヤリング」も、「耳環」(er3 huan2) と言うようです。イヤリングははさむので、「耳夹」(er3 jia1) とも言うようです。

有 :ある、いる

中国語は「ある」も「いる」も、「有」(you3) と言うようです。

日本語では、生き物が「いる」、物が「ある」と、無意識に使い分けていると思います。これが中国語ネイティブは最初は区別できず、生き物も「ある」と使ってしまいます。区別を覚えて動物が「いる」と使えるようになっても、虫とかポケモンは「ある」なんてことに、最初はなります。覚えるのは大変ですね。

打嗝:げっぷ、しゃっくり

最後ですが、最近知って最も衝撃を受けた事実。

中国語は「げっぷ」も「しゃっくり」も、「打嗝」(da3 ge2) と言うようです。似てるといえば似てるけど、やっぱ違うだろう。。。

まとめ

いかがでしたでしょうか。脈略なく集めてみましたが。

中国語はおおらかな面もありますので、その特徴が言葉に現れた結果なのでしょうか。残念ながら例を思いつきませんが、今回と逆のパターンもあるでしょう(日本語では区別しないが、中国語では区別するケース)。

自分的にはこうした対応、差異は面白く、外国語を覚えていくモチベーションになります。これからも追い続けます!「

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