[日本語#1] 気になる新語:〜院

beauty clinic 言葉

最近、クリニック等の広告で「銀座」「品川本」など、店舗(拠点)を表現するのに「〜院」という言い方を目にします。悪くないと思っていますが、まだ慣れていません。そこで「〜院」がどんな位置を占めるのか調べてみました。

気になる新語シリーズ、始めます!

店舗表現のバリエーション

店舗表現にどんな傾向があるか、定量的に調べてみました。

日本美容外科学会で紹介されている名医をもとに、関東地区:東京の372件につき、各所属機関名を検索し、サイトを実際に訪れました。そして各所属機関の中から、まずは複数店舗(拠点)を持つものに限定し、さらに所属機関名(企業名)で名寄せを行った結果、最終的に52件を集計対象としました。対象には病院およびクリニックが含まれています。(2021年7月現在)。

種類件数(件)割合
1クリニック3975%
2病院1325%
52100%

全体(病院+クリニック)

全体のうちクリニックが75%を占めているためか、「〜院」が全体でも半数を超えており、勢いを感じますね。

店舗表現件数(件)割合
1〜院2854%
2〜病院1121%
3都市名612%
4〜クリニック48%
5独自12%
6〜医院12%
7〜プラザ12%
合計52100%

病院

病院は「〜病院」が圧倒的。「〜医院」も含めて従来表現であり、自分的には違和感がないですね。「〜センター」などの拠点を持つ病院も多いです。

店舗表現件数(件)割合店舗名の例
1〜病院1184.6%昭和大学付属藤が丘病院、板橋病院
2〜医院17.7%浦安医院
3〜プラザ17.7%メディカルプラザ
合計13100%

クリニック

クリニックは予想通り「〜院」が圧倒的でした。「都市名」は店舗表現として期待していたものですが、意外と少なかったです。

店舗表現件数(件)割合店舗名の例
1〜院2871.8%銀座、新宿本院、新大阪
2都市名615.4%渋谷〜クリニック、〜クリニック横浜
3〜クリニック410.3%〜表参道クリニック
4独自12.6%テーマに基づく
合計39100%

まとめ

今回は美容外科という範疇内でしたが、クリニックで「〜院」という表現が出てきたのは比較的最近かと思います。以前は今回の「〜院」の次点である「都市名」「〜クリニック」などであったと予想できます。この状況を不便に思い、別の表現を求めた人が「〜院」を考案したのではないか、と予想します。

とはいえ「〜院」という言葉自体は、病院の数え方で「都内10」とか、状態で「本日休」とか、従来の使用法としても存在していたわけです。なので完全なる新語でもないわけですが、店舗表現に改めて適用しようとしたのが、新語の始まりだったのではないでしょうか。

これからも新語の誕生を追いかけていきたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました