英語は世界共通語である、という認識はなんとなく共有されていると思います。でも例えば旅行先とかでは、できるなら現地語を使ってみたいと思いますよね。その狭間で英語優先に至った個人的体験を吐露します。気軽に読んで頂ければ幸いです。
マレーシア出張
1995年2月に、Malaysia の Kuala Lumpur に4週間に渡り、自身初の海外出張をしました。顧客先にてテストを行うもので、品質確認、不具合記録などをしていきます。テストは Singapore の現地技術者とともに進めました。なので、彼とも、顧客とも、会話やドキュメントを読むのも書くのもすべて英語です。海外向けシステムだったのでプログラムのコメントも英語で記述していましたし、当時の私は今より断然!英語ができたので、ある程度、卒なくこなせていました。
仕事ということもあり、高級ホテルに泊まらせてもらい、通勤もホテルの車で送迎。私もまだ20代、オフも色々と満喫させていただき、いい思い出でいっぱいです。ほぼ毎日調子に乗ってJalan Alorという屋台街でドリアン食べてたら、2週間でお腹壊しましたし、週末を使い初の Singapore にも行けました(飛行機が国内移動扱いになるので、免税品が買えなかった記憶があります)。
下記写真は Kuala Lumpur の Sultan Abdul Samad Building(たぶん)での記念撮影
顧客との対話でハッとさせられた
ここからが本題です。外国語好きな私は、ここぞマレー語を勉強するチャンスと、簡単な挨拶とか数字なんかを、現地の紀伊国屋書店で本や馬英辞典を買って勉強していました。
出張の終わり頃には、コンビニで店員の話すマレー語の値段は聞き取れるくらいに(誤魔化されているときもあったような、ないような)。また顧客先でも、例えばエレベーター内で現地の方に “Which floor?” と聞き、”Dua”と聞き取ったら2Fを押してあげて、片言ですが マレー語 を実践的に使って調子に乗っていた頃。。。
顧客のマレー系技術者と英語で会話していたとき、軽い話題に切り替えマレー語を試してみたく、片言を発したときのこと。下記主旨のことを言われ、ハッとしました。
「基本的に英語を使ってほしい。我々は英語を十分に理解できるし、教養もある。」
教養ある人に相手の母語でコミュニケーションしようとすると「馬鹿にしていると思われる」ということ。つまり「英語は理解できないだろう、だから母語を使おう、と判断し母語を使用しようとした」と受け取られるということ。悪意がなかったことは相手も理解していたようですが、こちらの常識や配慮が圧倒的に不足していたのも事実。その場で深く謝罪。この「事件」以降、私は、非英語圏の人とは原則「英語」の考えになったのでした。
もちろん母語を試そうとすることを受け入れる人もいて、一概には上記のことは言えないでしょう。この辺の考えは人それぞれ。ただし当時の私は上記の常識を持ち合わせていなかったので、ショックだったということです。
まとめ
F1(Formula One)とか、欧州サッカーとか、オリンピックとか、世界中から集ったアスリート達は、インタビュー時に英語をほんとに流暢に話します。各国母語の訛りはどうでもよくって(何もおかしくはない)、伝えたいことを英語で表現できていることがすごいし、羨ましいのです。
フランスで英語を使うと嫌われるとか言いますが、それを知ってフランス語を使おうと判断するのではなく、英語を優先的に使おうとする、というのが私の結論です。その役割を英語が背負っているのですから。
ただし、英語が共通語たりうるのは欧米やアフリカでのことであって、アジアでは、英語が公用語になっている一部の国(Philippines、India、Singapore、Malaysia等)を除き、現地語が優先だと感じています。南米もスペイン語かポルトガル語が優先かなあ。